Monthly Archives: 12月 2016

普及活動報告

ワークショップ

今年も幼稚園から大学と多岐に渡ってワークショップを行いました。

小学校については、ここ10年ほどで変化を感じています。

それは、子供達の声がとてもよく出ていると言うことで、これは学校授業で音読を取り入れて来た事に関係していると思います。

その成果を実際に目の当たりにするのは、とても面白く、新たな驚きでした。

毎年様々な小学校からワークショップの依頼を受けます。大変ありがたいことと思います。

ですが、一つのワークショップに費やす準備、スケジュール調整の関係から、その全てにお応えするのは難しいのが現状です。

 

聖心女子大学での活動

今年は新入生が増えたこともあり、学生能コンテスト出場を試みました。

日本全国から集まった大学生達の能にふれることで、多くの刺激を持ち帰ってきたことは何よりの成果でした。

 

 

一年の振り返り

1月30日

静岡音楽館AOIの20周年記念公演

間宮芳生 作 ナバホ族の神話「白い風ニルチッイ・リガイが通る道」 ワキ

 

2月中旬 松浦、唐津へ佐用姫伝説の地を訪ねる。

 

3月3日洗足音楽大学 邦楽第7回定期演奏会

半能「融」 シテ

 

3月11日銕仙会3月定期公演

「隅田川」 シテ

 

3月27日 河西暁子氏の会

「杜若」 地頭

 

5月25日 青山能

仕舞「杜若」 クセ

 

7月24日 川崎市文化財団 第26回能楽体験・観賞教室

24日 「能のお話」

28日 「体験」

30日 「観賞」「鵺」 地頭

 

9月3日 「ひたち初秋能」

「邯鄲」盤渉 シテ

 

9月22日 国立能楽堂 「女性能楽師による」

仕舞「歌占」 クセ

 

11月24日 桂諷会(長山桂三氏の会)

「碇潜」 仕舞

 

12月9日 銕仙会定期公演

「頼政」

 

12月11日 第19回鵜澤久の会定期公演

「松浦佐用姫」 シテ

 

 

 

 

 

 

 

 

第19回鵜澤の会公演「松浦佐用姫」を終えて③      ~新たな試み

 面の印象はどうだったでしょうか?
 前シテと後シテの面は違う、と、思って見てくださった方が多かったことは、面白いというより、こちらが考えていた通りのことだったので、本当にそうなら、これも嬉しいことです。あれは、前、後、同じ面でした。「若狭守」と書いてあります(作者名)。銕仙会所蔵の面を銕之丞先生が出してくださり、私も、面の中に、様々な表情を見つけられる面だなこれは、と思って使わせていただきました。
 観世宗家に伝わるこの曲の専用面「小夜姫」と謂われる面が、昭和37年に第25世観世宗家によって復曲される一つのきっかけとなったわけであり、その面がもちろん一番相応しいのだと思います。が・・・? それがないとしたら、それならば、どのような面がこの曲に合うのか? 自分にとっても 曲にとっても・・・。など、未知の事は限りなくありました。装束一つとっても、今回このような経験をすることができて、有難いことでしたし、今後の自分の舞台と対峙した時に様々な形でこの経験が生かされることと思います。最後の所で、海に飛び込んだ後、静かになって、立ち上がり、橋掛かりに行く間の、囃子(大鼓、小鼓のみ)の演奏は今回初めてとり入れたものです。野村四郎氏の御助言によって、三クサリ目を、習いの手、というものにしました。そして地謡は静かに 「はや白々と・・・」と入って来てもらうやり方にしました。その空間というか空気感が良かった、とも言われました。
 協力してくださった地謡の方達、囃子方の方達に感謝しています。また、来年に向けて新たに頑張って参ります。
 来年も舞台を見ていただけたら幸いです。
                                                     鵜澤 久

第19回鵜澤の会公演「松浦佐用姫」を終えて②    ~舞台への道のり

とにかく、この曲は道具立てのとても多い曲でした。

道具立てというのは、必ずしも、大道具、小道具の事を言うだけはでなく、外側の演出上の問題点も含めてを指します。また、その道具たちをどのように効果的に使いこなすかは、通常も、ああでもない、こうでもないと、試すわけですが、今回はそれ以上に経験していないことが多くあったということです。
 いつもどんなに自分が演った曲であってもゼロスタートしなければいけないと、八世銕之丞先生は常々おっしゃっていました。それを自分も倣ってきたつもりですが、今回、まずはそのゼロ地点を作る所から、始めなければならなかった感じがしています。
本番までの積み重ねによって全部で100%に持っていくとしたら、今回は50%までは形作ることに費やしたように思います。
こういった能を舞台に上げるには150%(かどうかはわかりませんが)と思って、取りかからなければならぬものだということが、よくわかりました。勿論、数字であらわされるものではないことも確かですが・・・。
古代の話であることは、かなり意識していたつもりですが、おおらかな、あの時代に生きた女性であること、ある意味で自由な愛の表現のようなことができたら、と思ってはいましたが、なかなか難しかったです。
如何でしたでしょう。

第19回鵜沢の会公演「松浦佐用姫」を終えて①  ~佐用姫への思い 

今回の「松浦佐用姫」は、私にとって、又、一部の出演者の方達にとっても初めて出会う曲でした。

ご挨拶文にも書きましたが、今春より何回かの検討会をしつつ、どのような曲なのかを平面で勉強し、話し合って、少しずつ固まって行きました。

二月末には、自分も唐津まで行き、折りもよく、市民会館ホールで催された九州の能楽師、多久島さんの舞台を拝見する機会にも恵まれました。

また、松浦のなんとも豊かでのどかな、それこそ、鏡の面のように静かな海を眺めながら松浦山(ひれふりやま)にも登り(とは言っても途中までは車で)その頂上からの(展望台がちゃんとありました)遙かなる景色の中に、あの海の先に、朝鮮半島が、唐の国が、臨まれるよう壮大なロマンを感じながら、佐用姫が去りゆく船に必死になって振ったひれが風になびく、そのときの情景が目に浮かぶような、それはそれは美しい海岸線とともに、忘れられぬ景色でした。

今回、その時に見た、その景色を表現できたら、と、思っていました。嬉しいことに、ご覧になった方から、舞台と客席全体があたかも松浦潟を思わせるような、とても不思議な体験をしたという言葉をもらいました。

能はやはり、観客の方々の想像力と感性にゆだねる所が面白くもあり、また、それを充分働かせてもらえるように、演者側も稽古を積んで努力しなければならないと思います。

 

 

 

 

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